さすがに今朝の瞑想&ヨガには出れなかった。朝ご飯を取り、ユキの様子を見に行く。
昨夜に比べるとだいぶ良くなって、ちゃんと話せるようになっていた。
ジョンによると、脱水症状が酷くなると内臓や脳に血液が行かなくなり機能しなくなるそうだ。
確かに昨夜の彼女は朦朧としていた。
ゆっくり支度をして、リクシャーで再度病院に向かう。何とか午前中に入れた。昨日の血液検査では肝炎が指摘された。AST、ALTの数値がかなり高い。通常 40~200位の所、4000もあった。彼女はインドに入る前に、南アメリカと中東を経由してきているので 色んな病気が疑われていたが、とりあえず他はネガティブだった。今回は肝炎がウィルス性かどうかの血液検査と、CTエコーを取る事になった。ユキはまだフラフラしていて、今日も点滴を打って欲しいと言ったが、ドクターは必要ないとの診断だった。
CTエコーは病院内に施設がなく、近くのクリニックに行くように言われる。処方箋をもらい、すぐそこだと言うので彼女を待たせて歩いてみる。全然すぐそこじゃない!道端の店のおじさんに聞いたら、ヒンドゥだったがリクシャーと言う言葉が聞き取れた。病院に戻り、この暑さじゃ無理なのでリクシャーで向かう。20分もかかったじゃないか!クリニックに入ってまたビックリ!!すごい患者の数。狭いスペースにびっしり座っていた。処方箋を見せ、診察料を払う。600ルピー。何とかユキを座らせ、壁の掲示板を眺めていたら ここの診察料は一律で450ルピーだという事が解った。ふん、ここにも外国人料金があるのか・・・。隣にいたおばさんが話しかけてきた。彼女は腎臓が悪く、酷い時は痛みで動けないそうだ。もう1時間は待っているのよと言い、何番なの?と彼女の61番の番号札を見せた。え?知らない、番号札なんてどこでもらうの?と聞くと受付した時に貰うのよと。やばいと思い受付に行こうと立つと、ユキが呼ばれた。おばさんはかなりムッとしていた。そして私に幾ら払ったか聞くので600だと答える。
彼女の顔に憤慨と諦めと痛みの色を見る。
I'M SORRY.
ユキに呼ばれて中に入る。A/Cが効いた暗い部屋に 最先端の医療機器が並ぶ。そこで日本となんら変らなくエコー写真を撮った。先生は 肝炎だね、だいぶ肝臓が腫れてる、と言う。終わって部屋を出ると、さっきのおばさんが看護婦にクレームをつけて食い下がっていた。
お互い 痛い表情でサヨナラをする。
写真と所見の入った資料を貰い 病院に戻ると、病院は昼休みに入っていた。夏場は12時から16時迄お昼休みなんだって!急いで二階の採血室に上がると、何とか採血はして貰えた。既にかなり疲れを見せているユキを椅子に座らせ16時迄待たせるのは無理なので 昨夜使ったERのベットに寝かせてくれるように看護士に頼みこむ。なんとか承諾をもらい、横になるとそのうちユキは眠ってしまった。
看護士とお喋りしていたら チャイでもどう?と誘われたので 外のカンティーン(食堂)に行く。彼は研修生としてこの病院で働きながら学んでいる、ソナ26歳。本当は僕は歌を歌うのが好きなんだよ、本当に上手いんだ、聞かせてあげたい、歌っていると神に繋がった気持ちになるんだよ、もうそうなると僕の歌じゃなくなるんだ。それはすごい!是非歌い続けるべきだよ、私も聞きたい、うん、でも歌じゃ生活できないんだよ、時々お祭りなんかで人前で歌うんだけどね、今度いついつに歌うから見に来ないか? ごめん、もうその時にはリシケシュにいないんだ、残念。 そうかぁ、残念、でもね いつかは夢がかなうと信じているんだよ、僕は悪い事はしないし 真面目に良心で生きている。だからいつか神様は僕にチャンスをくれるよ。うん、きっと叶うね、CDを出してくれれば 私買うよ!有名になったら応援する。 ありがとう!
とても素直で 話していて気持ちのいい青年だった。
成功したら分かるようにと 写真を撮らせてくれと頼んだ。ちょっと照れて可愛かった。
なんと彼は私を28歳くらいでしょと言ってくれた。嬉しいけど妙な気持ち。
ERに戻ると、ユキは起きていた。まだ16時まで時間があって 長いね~と話していたら突然 もういいよ 帰ろうよ、検査の結果なんてどうでもいいから ほっといて帰ろうと言いだした。さすがに私もキレる。思い切り叱ってあげた。彼女は35歳、子供じゃない。病気はあなた、何の為にここまでお金をかけて頑張ったの?病院に来たのは何の為?身体に何が起きてるのかはどうでもいいの?私の怒りに彼女はしゅんとしていた。
はぁ~、一体どこに意識があるのか。病院で寝ている自分が恥ずかしいのか、インドの病院が嫌い?病気である自分を認められない?こんなの旅慣れている自分じゃない?直視できない?逃げたい?無かった事にしたい?
そんな感情こそどうでもいい!! ばかっ!!
人を理解するのは容易じゃないし 得意じゃないんだ。
16時になり、血液検査を貰いに行き 写真と一緒に先生に見せる。数値は4000から2000台に下がっていた。先生はウィルス性肝炎だという。何型かと聞くとA型かE型だと。E型なんて聞いたことない。ジョンに聞いても、彼も良く知らないと言った。とにかく肝炎は休むしかない。15日間安静にしなさいと言われ 肝臓の薬を貰って帰った。
COMMENT
無題
急性肝炎から劇症肝炎になってしまって命を落とした友人妹を知っているので怖いな…と思っています。
35歳ですか…ユキさんは。タメな予感(爆)
ええっと、日々の行いを省みて気をつけます。
歳のわりに幼稚なもので(^^ゞ病院から逃亡なんてこともしかねず…
特に職場の同僚(兄ちゃんならいいなとおもったら何とタメだった(;_;))が実に落ち着いたおとなであるが故に日々肩身狭いのでした。(そいえば昔から歳らしくしっかりせよと叱咤(激励)されつづけてきました。そういえば)
無題
逃亡するくらいなら 病院なんか行くな!と思うよ、かっしー。
でしょ?NO NAMEさん。違ったらごめんなさい。
病気になると普段より判断力が鈍るのではないかと思います。
もちろん精神的にも影響が出るはず。
なぜわざわざ医者の意見を聞くのか、なぜCTを撮り検査をするのか。
肝炎は命を落とす病気、それが解ればいいと思います。